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アメリカン・アールデコ・コレクション

2014.11.20
 

コレクションシリーズ vol.20

毎回テーマを設け、アメリカン・アール・デコ・コレクション作品をご紹介するシリーズ展。20回目を迎えるvol.20では、アメリカにおいて1920年代後半から1940年代にかけ、一般家庭に急速に普及した家電製品の数々と、そこから見える当時の人々が思い描いた“モダンライフ”を紹介します。

(上)ブレックファースター
制作年代:1936年
メーカー:カルキンズ・アプライエンス社
トースターとホットプレートの機能を一体化させたもの。様々な試みが多く見られるのもこの時期の特徴と言える。

(下)テレフォン

制作年代:1940年
メーカー:コネティカットテレフォン・アンド・エレクトリック社
ベークライトの受話器に本体をクロームで覆って耐久性を高めた電話機は陸軍で利用されたもの。

流線型のクローム・シェルフ
制作年代:1930年代中期〜後期
クロームチューブの質感、特性を生かし、構造上の強度とデザインの面白さを活かしたシェルフ。

グローブ・ラジオ
制作年代:1935年
デザイナー:レイモンド・ローウィ
メーカー:コロニアル社
レイモンド・ローウィのデザインによるラジオ。地球や土星など宇宙を連想させる未来的なモチーフは人気を集めた。

Electric Dream―家電製品とモダンライフ

1920年代のアメリカでは、第一次世界大戦後の華やかな好景気に沸き、工業生産力をバネにさまざまなインフラの整備が進んだ。1920年代には一般家庭への直流電気の供給が開始され、電気は電化製品とともに生活に欠かせない存在となっていく。電話やラジオの普及といったメディアの発達は、単なる情報媒体としてだけでなく、国土の広い国家における都市と地方との格差を縮め、広告分野など、新しい産業の発達を大きく促すこととなった。また、掃除機や冷蔵庫など、家事の負担を軽減するさまざまな家電製品の登場は、大衆にわかりやすい形で産業技術の 発展とその力を認知させるものであった。1929年の株価暴落に始まる世界的な大恐慌を迎えた後も、アメリカはこれらの産業や技術を基盤にいち早く復興への一歩を踏み出し、更なる経済発展を果たす。多くの家電製品は1930年代の原型を保ったまま、第二次大戦後、世界中の国々に波及していった。
産業技術に支えられた当時の家電製品や広告などからは、人々の思い描いた新しいライフスタイルへの憧れと期待が感じ取れる。ヨーロッパ発のアール・デコを取り入れ、アメリカ独自のスタイルに昇華させた“流線型のデザイン”など、当時のデザインスタイルとともに、時代の空気感を感じ取っていただければ幸いである。

出品例

ホットサンドイッチ・トースター ファン・ヒーター

(左)ホットサンドイッチ・トースター/1937年/ゼネラル・エレクトリック社
初期の家電製品の人気アイテム、トースターにも1930年代には機能別に様々な種類が開発、生産された。
(右)ファン・ヒーター/1935年/アーウィン社
1930年代には電気による暖房機も広く普及した。スタイリングには幾何学的なアール・デコ様式を用いている。

テーブル・セット

テーブル・セット/1930年代後期〜1940年代初期
1920年代に登場したクロームチューブの脚と当時の新素材、合成皮革を使用したテーブル・セット。

バキューム・クリーナー ドライヤー

(左)バキューム・クリーナー/1940年/フーバー社/デザイン:ヘンリー・ドレフュス
インダストリアルデザイナー、ヘンリー・ドレフュスがデザインした流線型のヘッドをもった掃除機。
(右)ドライヤー/1930年代後期/バーステッド・マニュファクチュアリング社
温風、冷風の切替機能が付いた実用的なモデル。流線型の影響を受けた丸いスタイリングがなされている。

          ハンディ・バキュームクリーナー

ハンディ・バキュームクリーナー/1940年/ウェスティングハウス社
ベークライトでつくられた小型掃除機。当初は大型だった掃除機も、ニーズに応じバリエーションが生まれていった。

IdcNコレクションシリーズvol.20
Electric Dream―家電製品とモダンライフ

会期:2014年11月5日(水)〜2015年12月(予定)
会場:国際デザインセンター・コレクションギャラリー
主催:株式会社国際デザインセンター