「E-12 生きるためのデザイン」名古屋展


 国際デザインセンターでは、去る5月2日〜7日の6日間にわたり、日本とカナダの共同企画による展覧会「E-12 生きるためのデザイン」を開催した。

 今年4月から7月にかけて、日本全国で「Think Canada 2001」というフェスティバル・イベントが展開されたが、これはアート、ライフスタイル、テクノロジー、産業などさまざまな側面 からカナダを紹介する催しであり、「E-12」展もその一環として開催された。

 カナダの教育機関であるハーバーフロントセンターと日本デザインコミッティーの共同企画である「E-12」展は、そもそもここ数年にわたる両者の協力関係から生まれたものである。ハーバーフロントセンターでは1995年と1997年に日本の優秀なデザインを紹介する展覧会をカナダで開催しており、日本デザインコミッティーがその企画に参画している。

 今回は日本とカナダのアーティストの協力関係を一層深める目的で、両国のデザイナーや学識関係者など12名が、「環境」をテーマにコンセプトをつくり作品を制作するというユニークな試みがなされたのである。

 名古屋展では、カナダからの3チーム、日本からの3チームの計6チームの作品が、デザインギャラリーとアトリウムの2会場で展示され、「環境」というテーマを通 じて、それぞれこれからのデザインに対する興味深い問題提起が示された。

 カナダ国内の4会場での巡回展示を終え、5月に名古屋で、6月に東京で開催されたのだが、各会場の環境変化にともない当然展示も変容していった。例えば、眞田岳彦氏と鷲田清一氏のコラボレーションによる「PREFAB COAT」は、そのもっとも顕著な例と言えよう。

 100%リサイクルされた化学繊維でつくられたこのコートは、単体では1枚のコートであり、ファスナーで連結していくことで大きな住居空間へも変化していく。作品が置かれる「環境」によって毎回形を変え、常に新しい表現が生まれていく。名古屋展では吹き抜けの開放的な空間を生かして、中空に吊るされた巨大なオブジェとして展示された。各作品からは、日本、カナダそれぞれが持つ固有の自然観や文化とともに、共通 するデザイン観も感じられた。

 展覧会初日の5月2日夕方には会場内でオープニング・レセプションが行なわれ、出品者である喜多俊之氏、石川道政氏、眞田岳彦氏をはじめ、カナダ大使館・領事館関係者、主催者・協賛関係者、また地元のデザイン関係者・学生など約80名が参加し交流を深めた。

 今回のような海外あるいは他のデザイン関係機関との共同プロジェクトでは、さまざまな発見・経験・交流が生まれる。これは私ども国際デザインセンターにとって大きな財産ともなる。今後もさらにネットワークを広げ、新しい出会いの場を創りたいと思う。

(黒田千香子/国際デザインセンター・クリエイティブディレクター)



■「E-12 生きるためのデザイン」名古屋展開催の記録[photo]
会期=2001年5月2日(水)〜7日(月) 時間=11:00〜20:00(最終日は17:00終了)◎会期中無休
◎終了しました
会場=国際デザインセンター4Fデザインギャラリー+2Fアトリウム◎入場無料
主催=ハーバーフロントセンター、日本デザインコミッティー、(株)国際デザインセンター
後援=駐日カナダ大使館 協賛=カナダカウンシル、カナダ2000、カナダ外務省、カナディアンヘリテイジ、日本万国博覧会記念協会、Art Plan 21n、日本外務省、国際交流基金、東京倶楽部
展覧会入場者数=1,018人(デザインギャラリー入場者のみの集計)

■オープニング・レセプション
日時=2001年5月2日(水)18:00〜19:30
会場=国際デザインセンター4Fデザインギャラリー
出席者=約80人



■お問い合わせ
(株)国際デザインセンター
名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパ−ク・デザインセンタービル6階
TEL: (052)265-2105  FAX: (052)265-2107

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