国際デザインセンターでは2002年9月より11月にかけて、デザインミュージアム内企画コーナーにおいて「笠松栄―折り紙に魅せられた椅子」を開催する。笠松氏は折り紙を連想させる美しい家具で知られるインダストリアルデザイナーであり、代表作である「折り紙チェア」のシリーズは多くの賞を受賞、海外でも高い評価を得ている。展覧会とあわせて開催するギャラリートークでは、個性的な作品群について、またその創作過程と独自の美意識について、気軽な形式で語っていただく。氏の豊かな創造力と造形の面白さに触れていただくまたとない機会である。
|
|
折り紙の世界から抜け出てきたかのような笠松氏の家具は強烈な印象を残す。おそらく一度見た人はその存在感を簡単には忘れられないであろう。1枚の型紙からつくられるこれらの家具は、鮮やかな色づかいとともにオブジェのような美しさでみるものを引きつける。平面を「折る」ことで生まれる造形の面白さ、美しさを追求し、楽しむ感覚は、日本固有のものではないか。私たちが子供の遊びとしてごく当たり前にとらえている折り紙が、他の文化圏では非常に珍しがられ、褒め称えられることは多くの人がご存知かと思う。笠松氏は折り紙の魅力とその背景にある造形の可能性に魅せられたデザイナーと言っていい。
|
1960年代後半、アメリカに渡りデザインを学んだ氏は、デザインにおけるオリジナリティの重要性について考えさせたれたという。グローバルな視野に立ったときに問われる真の個性とは何か。他にない創造力とは何から培われるのか。異なる文化をもち、まったく違った風景を幼い頃からその目に映してきた人々にも通用するものとは何か。笠松氏の場合、その問いの中でひとつの答えとして生み出されたのが、「折り紙に魅せられた椅子」である。日本人固有の繊細で緻密なものづくりの感覚、手の中で生まれる「美」を楽しむ民族性が、笠松氏の創作の重要なバックボーンとなった。
|
「折り紙チェア」の制作過程は緻密を極めたものである。折り紙がほんの少し折る角度をかえるだけでまったく異なる形になってしまうように、ごく微細な折り線のズレは思わぬ造形を生み出すという。美しい立体を求めて数えきれない試行錯誤の末に生まれる椅子は、二次元の世界から生まれる不思議なマジックのようにも見える。型紙から生まれ出るその構造の面白さを楽しみ、さらに使うことによってその造形の面白さを体感する、そんな家具たちである。図面で表現できないこれらの家具を笠松氏は型紙というツールをもって示してみせる。
今回は作品とあわせ美しい型紙の数々を公開し、その構造の面白さと造形の可能性を紹介する。これからものづくりの世界に携わろうとする若い世代をはじめ、是非多くの方々に足を運んでいただき楽しんでもらいたい。
|
■笠松栄「折り紙に魅せられた椅子」
会期=2002年9月27日(金)~11月17日(日)◎休館日=10月15日(火)◎終了しました
時間= 11:00~20:00(入場は19:30まで)
会場=国際デザインセンター4Fデザインミュージアム内展示コーナー
(名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパ-ク・デザインセンタービル4F Tel:(052)265-2106)
入場料=一般300円、学生200円(常設料金に含む)
主催=株式会社国際デザインセンター
共催= 笠松栄工業デザイン事務所
協力=株式会社ミネルバ、株式会社キタニ、株式会社オオタニ
後援=中部デザイン団体協議会 |
|
▲TOP|▲HOME
|