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2013.10.01
 
 
第4回名古屋・トリノデザイン交流事業

なごやサステナブル・デザイン2008 開催レポート

International Design Casa "NAGOYA Design Sosteniblile 2008"

2005年にスタートしたトリノ市とのデザイン交流事業も4回目を迎え、今回は、「ワールド・デザイン・キャピタル・2008・トリノ(WDC)」の国際会議とデザイン展に参加することとなった。

WDCは、IDA(※)が提唱する世界的なデザインイベントで、今年度トリノでは、同市やピモンテ州などが1年を通して約400のイベントを展開している。今回も、街角に溢れる広報バナーや案内ツール、車体に広告を載せたタクシー、美しい回廊を活かしたデザインの歴史を紹介するバナー展示などで、街中がまさにデザイン一色であった。

デザインの国際会議「シェイピング・ザ・グローバル・デザイン・アジェンダ」は、各国の政策担当者や研究者らがデザインの課題やビジョンなどについて討議するもので、名古屋市からは市民経済局理事が、同市がこれから進めようとするサステナブル・デザインに関わる施策や今後の展望について、官民あげての取り組みをごみの分別収集などを例にあげ紹介し関心を集めた。一方の「インターナショル・デザイン・カーサ(世界のデザインの家)」は、日本(名古屋が日本の出展として扱われた)をはじめ、10のカーサ(展示会)が市内各所で開かれた。

カーサ名古屋は、市内中心部の、マダマ宮殿につながる歩行者専用道路に面したトリノ市の施設「アンティキ・キオストリ」が会場。展示テーマは「なごやサステナブル・デザイン2008」。伝統をDNAにたゆまぬ創意工夫により生み出される先端のモノづくりとデザイン、優れた創造性や人材の集積など、デザイン都市名古屋の全体像を紹介し、「伝統とデザイン」、「環境とデザイン」、「モノづくりとデザイン」の3部構成のデザイン・コリドール(回廊)形式で、工業デザインや空間系デザインの展示を行った。展示はどれも好評で、ことに絞り作品や触れることのできる製品などには関心が高く、環境や伝統を感じさせるデザインはデザイナーや製品について、多数の照会を受けた。会場内で行った学生向けの風呂敷ラッピング講座も、人気を集めた。

会場は、8日間に述べ11,300人超の来場者を迎えるほど盛況で、間断なく人々が入場する様はまさに目を見張るばかり。特に、トリノの独特な習慣「ノッテ・ビアンキ(白夜)」として0時まで開けた土曜日は、深夜まで、親子連れやカップルなど老若男女の多くの人で溢れた。

※IDA (International Design Alliance):異分野コラボレーションの実現のため、国際インダストリアルデザイン団体協議会と国際グラフィックデザイン団体協議会が合同で設立した機構

■第4回名古屋・トリノデザイン交流事業 実施記録
「ワールド・デザイン・キャピタル・2008・トリノ」のイベントの1つ「インターナショル・デザイン・カーサ」へ参加。同プロジェクトでは、日本をはじめ(名古屋が日本の出展として扱われた)をはじめ、フランス、ベルギー、韓国(ソウル市/2010年のWDCの主催都市)、スペイン、シンガポール、オランダ、オーストリア、ノルウェー、中欧6ヵ国(ハンガリー、ポーランド、スロバキア、ラトビア、エストニア、リトアニア)の10のカーサ(展示会)が市内各所で開かれた。カーサ名古屋では、サステナブル・デザインを名古屋の新たな街やくらしのキーワードとして位置づけ、名古屋の概観と、名古屋圏の伝統・環境・モノづくりとデザインとの関わりを、地元企業の製品等を通して展示紹介。また、国際デザイン会議「シェイピング・ザ・グローバル・デザイン・アジェンダ」では、名古屋市市民経済局理事が同市の戦後復興の街づくり、ゴミ環境問題への取り組み等を紹介した。

展示会 「なごやサステナブル・デザイン2008 “NAGOYA Design Sosteniblile 2008” 」
会期=2008年11月6日(火)~13日(火)
会場=アンティキ・キオストリ(イタリア・トリノ)
来場者数=11,300人

(初掲:国際デザインセンター機関誌「NOC」Vol.103[発行:2008年12月20日]/転載にあたり再編集)