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栄木正敏「セラミックデザインの可能性」展覧会タイトルロゴ
国際デザインセンター・デザインミュージアム企画展
栄木正敏「セラミックデザインの可能性」
2003年9月開催
※終了いたしました。
 
栄木正敏作品「WAVEレリーフタイル」
▲WAVEレリーフタイル(1992年)

 国際デザインセンターでは今秋9月より、デザインミュージアム内企画コーナーにおいて「栄木正敏-セラミックデザインの可能性」を開催します。栄木正敏は内外のコンペティション、展覧会等で高い評価を得、多くの美術館に作品が収蔵されるなど国際的な活動を見せるセラミックデザイナーです。と同時に、彼の創作姿勢を支え、制作の基盤となってきたのは常に愛知県・瀬戸の地であり、その作品を語る上で地場産業との密接な関係は重要なキーワードとなっています。

 若い時期にタイル・食器・ノベルティ等陶磁器の小さな工場を労務者として渡り歩いた栄木は、瀬戸の高水準な型もの技術を現場で徹底的に学んだといいます。そうしたバックボーンを持つ彼は、デザイナーでありながらスケッチから原型作成、成型、鋳込み、絵付け、焼成までをすべて自分で行うことがでる希有な存在です。陶磁器デザイナーとして当然のことと本人は語りますが、現実には図面や原型だけで手を離してしまい、結果、現場の知識が乏しいまま作品をつくってしまうデザイナーがあまりにも多いのです。工程の利点や弱点を細部まで把握し、さらにそこに自分なりの工夫を加えて生産側のスタッフと互いに試行錯誤することによって、彼の作品は量産品のイメージをはるかに越えるクオリティと優れたデザイン性を実現してきました。

 栄木は、高校生のころ自宅で使っていた森正洋氏のデザインした陶磁器をきっかけにデザインの世界をめざしたといいます。その制作姿勢は、戦後の陶磁器デザイン界の先駆者である森正洋、「クラフト」の提言者であり実践者である芳武茂介、また陶の環境造形の第一人者、會田雄亮の影響を強く受けています。高い教養とともに多分野に渡る伝統技術に通じ、その中で現代的なクラフト製品を作りだした芳武氏らに習い、常に栄木はデザインを狭義に捉えず、 広い意味での教養や知識を重ねることを重視してきました。 事実、食器に限らずそれが使われる生活空間や文化教養などデザイン全般への造詣も深い彼は、近年では陶壁やモニュメントなど、よりスケールの大きい造形表現へと、ますます盛んな制作意欲を見せています。

 一貫して、新しいセラミック表現の可能性と生活の中でのデザインのあり方を追求しつづける栄木は、型もの技術を生かし、「作品」ではなく広く永く生活の中で愛される「商品」、「製品」を目指す、といいます。そんな彼が生み出すデザインには、常に美しくありながらどこかユーモアを秘めたあたたかさがあります。

 新作を含め、テーブルウェア、花器、タイル等代表作の数々が公開される本展は、会期中におこなうトークとともに、広く栄木正敏の創造活動とセラミックデザインの可能性を提示するものとなることでしょう。


栄木正敏「セラミックデザインの可能性」※終了いたしました。
会期=2003年 9月5日(金)~10月27日(月)◎会期中休館日=10月21日(火)
時間=11:00~20:00(入館は19:30まで)
会場=国際デザインセンター4Fデザインミュージアム?052-265-2106
入場料=一般300円/学生200円(常設料金に含む)
※中学生以下無料
※「なごやデザインウィーク」期間限定10月6日(月)~20日(月)入場無料
主催=(株)国際デザインセンター
共催=栄木正敏デザイン研究所
後援=愛知県立芸術大学、(社)日本クラフトデザイン協会、クラフトデザイナー中部、日本陶磁器デザイン協会、中部デザイン団体協議会、世界グラフィックデザイン会議開催運営会
製作協力=国際化工(株)、佐藤商事(株)、陶楽園製陶所、伊富製陶(株)、新留製陶所、香石陶苑(株)、水野成型所、(株)セラミック・ジャパン、東陶機器(株)、共同セラミック(株)
グラフィックデザイン=高北幸矢(高北デザイン研究所)
映像提供=(株)ヒューマンフライト、(株)NHK中部ブレーンズ
資料提供=(株)双葉社「つくる陶磁郎」、入澤企画制作事務所

栄木正敏ギャラリートーク&パーティ
※終了いたしました。
会場内にて栄木氏による作品解説およびワンドリンクパーティを開催します。
日時=2003年 9月26日(金)18:30~20:00
会場=デザインミュージアム展示会場内にて 
事前申込制(先着50名/定員になり次第締切)
お申込みいただいた方には9月26日当日限り有効の招待状をお送りします。
■申込方法=栄木正敏ギャラリートーク参加希望と明記の上、氏名・住所(〒)・電話/FAX/e-mail・職業(学校名)・年齢・参加人数を添えて、FAXまたはe-mailでお申し込みください。
■申込締切=2003年9月22日(月)
■お問い合わせ・お申し込み先
国際デザインセンター事業部
TEL052-265-2105
FAX052-265-2107


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