ITバブルの如崩壊、長引く不況、オリジナルティある強いコンセプトの欠如、総合的なプロデュース能力の不足といった今日の若手デザイナーが直面する最大の課題をどう克服するか？今回のように、国や分野や大学間を横斷し、デザイン分野間に従来からある境界を取り除くことによってジャンルや国籍の違うクリエーターが出会い、触発されるという体験は、日本国内の若手クリエーターに、新しいことに果敢に挑戦することにおいて、あるいはまた、より早く時代の変化に対応できるデザイン力の向上といった点で、大きな効果をもたらすことと思われる。 競争の激しいグロバール社会、独創性が求められるポスト情報化社会の中に、このワークショップを続け、若いクリエーターのモチベーションの向上を刺激しグロバールな視野を広げる機会を提供していくことによって、知的資本を生み出す新しい文化の創発に結びつけていきたい。

キュー・リーメイ・ジュリア（国際デザインセンター・海外ネットワークディレクター）