デザインミュ-ジアム特別企画展「内田繁展–フラグメント」–デザインの逆遠近法–
デザイントーク[内田繁-21世紀のデザインのエスキース]

インテリアデザイナーとして国内はもとより、世界的に活躍する内田繁氏の講演と、東北芸術工科大学助教授で文化人類学者の竹村真一氏、東京造形大学・特任教授の粟野弓氏とのトークセッションの、2部構成で“デザインの未来論”を語る。新世紀を目前として、内田氏が新たなデザインの指標をどう考えるのか、期待が集まった。
内田氏は、20世紀の工業化社会の矛盾が世界中で表面化しはじめた1968年のパリ5月革命や、ミラノトリエンナ-レ展といった歴史的ムーブメントに言及し、個人の自由と固有文化の尊重、歴史の再認識、地球規模での視点といったことが、21世紀にも引き続き残されている課題ではないかと問いかけた。また、茶の湯文化、茶室のデザインを例に、人間の精神と物質が分離されていない日本文化の本質にもふれた。20世紀の消費主義デザインヘの批判とともに、自身が描く21世紀のエスキースのキーワードとして、「変化するもの」「透明性を持ったもの」「浮遊するもの」「柔らかなもの」を示し、より精神性を深めたデザインへの関心を近作の作品紹介を交えて語った。 
第2部のトークセッションでは、竹村真一氏が、世界中の地震データを可視化したプロジェクト「センソリウム」や、東北芸術工科大学における内田氏とのコラボレーションを紹介し、インタ-ネット時代ならではの世界認識のあり方や、新しいメディアによって発見しうる物質と精神の問題を語った。色彩学を専門とし、アーティストとしても活躍する粟野弓氏は、微細な感覚や知覚の多様さを探るユニークなインスタレ-ションの数々を紹介した。内田氏は、二人の活動には20世紀に見失われた微細な感覚や身体の持つ叡智の復権を目指す共通意識が感じられること、またデザインが大きな役割と可能性を持っていることを指摘し、セッションを締めくくった。
◎定員500人(要事前申込)

会場

中区役所ホール
〒460-0008
名古屋市中区栄4-1-8

日時 2000年10月26日(木)
14:00 〜 17:00
費用 無料
主催

名古屋市、株式会社国際デザインセンター

共催・後援など

後援=中部デザイン団体協議会

問い合わせ先

株式会社国際デザインセンター「内田繁展」事務局fax052-265-2107

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