主な展示作品

雑誌「デリニエーター」
1931年3月号表紙

デリニエーターはファッション企画や海外小説など多彩な要素を盛り込んだハイクラスの女性誌。ダイネバー・リスのイラストは女性の表情をクローズアップして細密に描き、大胆に抽象化された背景とのコントラストで何号も表紙を飾っている。トルソー部分だけでも帽子や小物、髪型や、メーキャップなど、当時のファッション・トレンドが十分に伺える。

 

鏡台と椅子
ハーマン・ミラー社/1930年代中期

大型の鏡台と椅子のセットが豪華な逸品。鏡台の脚、引出しの形状、椅子の背面部分の意匠が丸い鏡とともに1930年代のアメリカのアール・デコ期の特徴を伝える。引出しの取手部分にも同様の配慮がなされ、大胆かつモダンなセットとなっている。光沢のある黒のラッカー仕上げはこの時期人気のあった仕上げで、類似の家具が多く制作されている。


ドレッサー・セット
1930年代後期

プラスチックと金属を組合せた手持ち鏡、ブラシ、コーム、パウダージャーのドレッサーセット。真鍮と一見クリスタルのように見える透明なプラスチックがモダンな雰囲気を演出している。科学技術の発達によって生まれたプラスチックは1920年代の人気の新素材であり、中でも透明度が高く硬質なプラスチックは当時まだ珍しいものだった。


コンパクト
1930年代中期

アール・デコの典型的な幾何学模様が印象的なコンパクト。模様のパターン同様、色彩も金属色と黒や原色などのはっきりした色の組合せが好まれた。コンパクトは外出の機会が増えた女性にとっての必需品となった。粉用コンパクトと口紅、などのセットも多く制作され、これらの品が当時の女性にとって大切なファッション小物でもあったことが伺える。

カレンダー
Printz-Biederman社/1937年

シンプルな女性のシルエットが美しいカレンダー。1930年代には、印刷技術の発展とともに雑誌、ポスターなど紙媒体の広告メディアが増加し、多くのアーティストがイラストレーションなどの広告デザインを手がけるようになった。美しい女性と花をモチーフに、この時期好まれた大胆かつシンプルな表現でモダンな女性のイメージが表現されている。


雑誌広告「LUCKIES STRIKE」
Companion掲載/1930年代中期

1941年にレイモンド・ローウィがパッケージのリ・デザインを手がける前のラッキーストライクには緑色が使われていた。当時煙草は女性のファッション小物の一つであり、コンパクトケースとシガレットケースのセットも多く制作されている。女性雑誌“Companion”に掲載された広告で、女性が煙草の重要な購買ターゲットだった事を伝えている。

雑誌広告「Max Factor」
LIFE掲載/1938年

マックス・ファクターは舞台のメーキャップ出身で、ハリウッド女優らに撮影のライトにも映える高機能なメーキャップ用品を開発、絶大な評価を得た。便利で美しく仕上がる化粧品は一般女性にも高く支持され、次々とヒット商品を誕生させた。バリエーション豊富なギフトセットの広告には、「ハリウッドからのギフト」のコピーがおどる。


クリーム・ケース2種、パウダー・ケース1種
1930年代初期~中期

女性の社会進出やハリウッド人気から一般女性に化粧の習慣が広まったことで、コスメティック市場は大きく発展した。自宅で使う化粧品だけでなく、外出先の化粧直しに携帯できる化粧品は身だしなみに気を使う女性の必需品となり、美しいパッケージデザインを施されたミニサイズのクリームケースやパウダーケースが次々と生産されていった。


雑誌「サタディ・イブニング・ポスト」
1939年5月20日号表紙

サタデイ・イブニング・ポストはアメリカの中流階級向けに発刊された人気誌である。表紙には毎号美しいイラストレーションが採用され、当時のアメリカ国民の生活を切り取るかのようなそのスタイルは長く人々に愛され、多くの購読者を誇った。この号では、自動車の水はねをよけるファッショナブルでキュートな女性たちを描いている。

雑誌広告「GUERLAIN LIPSTICK」
掲載誌不明/1938年

ゲランは1840年代にパリで成功した香水メーカーである。1910年代には好景気にわくアメリカを重要な市場として見据え、美しいビジュアルで広告展開をおこなった。1920年代には香水以外の化粧品も多く展開し、アメリカ女性を魅了した。シンプルなパッケージがモダンなリップスティックの広告は、香水の広告とシリーズで展開されたもの。