2010年2月、2週間にわたり「キッズ・デザイン2010」を開催し、展示会、シンポジウム、親子ワークショップを実施した。地元デザイン団体のネットワークを活かしたデザイナーならではの人材育成事業を行うことで、デザイナーのデザインスキルに触れる機会、子どもたちが自らの手を動かしモノを作る機会の提供など、次世代のデザイン力育成を目指した。

主催：デザイン事業推進委員会（名古屋市・株式会社国際デザインセンター・中部デザイン団体協議会）

キッズ・デザイン2010 chapter I 空間デザイン編

chapter I“空間デザイン編”では、キッズデザインに対する関心の喚起・啓発を目的に、親子をはじめとした一般市民を対象としたキッズデザイン関連の展示会とシンポジウムを開催。展示会では、キッズ・デザインやこどもの情操教育をテーマとした空間デザイン作品や提案、活動、キッズ向け製品などをパネルでの展示紹介。また、シンポジウムでは、各地の小学校を対象にお店作りのデザインや模型制作等、空間デザインの体験を通した情操教育を行っている社団法人日本商環境設計家協会SODA委員会の活動紹介に続き、こどものためのデザインやこどもの情操教育に携わる専門家らが語るトークセッションをった。

◎子どもの人口は1/3なのにデザインの選択性は本当に限られる。子どもの発想による、子どものための空間づくり、まだまだ研究が必要。参考になりました。 （40代男性／一般職）
◎芸術・デザインに重要なのは干渉、邪魔をしないということだと実感しています。お金をかけたイベントも施設も空間も、子ども（芸術家）には不要。（40代男性）
（シンポジウム参加者アンケートより）

キッズ・デザイン2010 chapter I 空間デザイン編
エキシビション：2010年2月10日〜15日／デザインギャラリー
シンポジウム：2010年2月15日／ナディアパーク・アトリウム
エキシビション「シード・オブ・デザイン こどもと創るデザイン・こどものためのデザイン」（イベントスケジュール）
シンポジウム「こどもと創るデザイン・こどものためのデザイン」（イベントスケジュール）

キッズ・デザイン2010 chapter II プロダクトデザイン編

chapter II “プロダクトデザイン編”では、中部デザイン協会（CDA）と社団法人日本インダストリアルデザイナー協会（JIDA）中部ブロックの2団体の企画による、デザイン展と親子を対象としたデザインワークショップを実施。 デザイン展ではCDA、JIDAの会員と、デザイン教育機関の学生による、知育玩具などのキッズ・デザイン作品を展示。会期中の日曜日には、4歳～12歳児と保護者を対象とした、親子で作る、体験する「親子デザインワークショップ」を開催した。

◎単なるおもちゃではなくデザイン性が考えられている点で、大人もおもしろかった。（動物をつくろう参加30代女性／一般職）
◎のこぎりの使い方や穴の開け方をしっかり指導して下さって、とても良かった。学生さんが各々つきそって教えて下さり、楽しく工作できました。（檜を使ったおもちゃ参加40代女性）
◎普段手にすることのできない材料で作るのは、工作好きの子供にとってステキな機会だと思いました。（手形をつくろう参加30代女性／主婦）
◎学生さんが積極的に子供に接してくれている姿がよかった。初めて会った子供同士で遊んでいる姿が見られてよかった。（大きなビニールバルーン参加30代女性／主婦）
◎左脳を刺激するような、手先を使うもの。今回の竹とんぼ、よかったです。（40代女性／一般職）
◎すぐ飽きてしまう、許容範囲の制限が多すぎる（ここでタコ上げ、サッカー禁止など）のが、今の子どもたちのカラーをすごく消してしまっている気がする。受動的ではない遊びを提供してあげることの大切さを改めて感じました。（大きなビニールバルーン参加30代女性／主婦）
（参加者アンケートより）

キッズ・デザイン2010 chapter II プロダクトデザイン編
デザイン展：2010年2月17日～22日／デザインギャラリー
親子デザインワークショップ：2010年2月21日／ナディアパーク・アトリウム
■講座
①竹とんぼづくり
②大きなビニールバルーンを作って中に入ろう
③動物をつくろう
④手形をつくろう
⑤檜（ひのき）を使ったおもちゃづくり
“プロダクトデザイン編”展示会（イベントスケジュール）
“プロダクトデザイン編”親子デザインワークショップ（イベントスケジュール）

写真：（左）エキシビション「シード・オブ・デザイン こどもと創るデザイン・こどものためのデザイン」／（右）キッズ・デザイン2010 chapter II プロダクトデザイン編 デザイン展

（初掲：IdcN Annual Report 2009／2010年6月／掲載にあたり再構成）