アメリカン・アールデコ・コレクション

2014.11.17
 
 

コレクションシリーズ vol.19

30s Posters モダンライフとグラフィックデザイン(展示会場)

毎回テーマを設け、作品を紹介するコレクションシリーズ展。vol.19では、1930年〜40年代のアメリカを彩ったさまざまな分野のポスターに焦点をあて、そのシンプルかつ力強いグラフィックの魅力とともに、大恐慌からの復興を果たした当時の時代背景を紹介。強いメッセージをもち、人々に明るいライフスタイルを描いてみせたグラフィック表現の数々をお楽しみいただきました。

流線型自動車ティン・トイ「リンカーン・ゼファ・クーペ」
1930年代後期/ デザイナー不詳/アッパーミドルクラス向けに発表され、1930年代で最も美しい流線型自動車と言われた車

ガス・ポンプ
1930年代後期~40年代/シェル/デザイナー不詳/自動車産業は、給油設備など周辺産業をも発達させた。流線型の流行を取り入れたガスポンプ(写真上左)


万博記念品ハードカバー公式ガイドブック
1939年/期間前に先行発行され、開催までの経緯が掲載された公式ガイドブック(写真上右)

万博記念品各種ーコンパクト
1939年/ デザイナー不詳/ニューヨーク万国博覧会では多種多様なスーベニアグッズや記念グッズが制作・販売された



30s Postersーモダンライフとグラフィックデザイン

20世紀初頭、第一次世界大戦後の華やかな好景気に沸いたアメリカは、1929年の株価大暴落にはじまる大恐慌の直撃を受けた。
大量の失業者があふれ、ヨーロッパ各国でも封建体制が崩壊する中、アメリカでは、1930年代に入り打ち出された大規模な景気施策、ニューディール政策によって、いち早く復興への一歩を踏み出した。この施策には公共建築や大規模なインフラ整備以外に、芸術、文化の分野においても雇用施策が組まれ、多くのアーティストが公共施策の広報を担う仕事を得た。当時のグラフィックデザインは、シンプルで洗練されたアール・デコの流れを汲みながらも、機械化とメディアの発達が同時に進んだアメリカ社会で、より力強く、人々に訴える表現へと変化している。
交通網の発達やモータリゼーションの登場、国策ともいえる博覧会の開催と観光業界の発展は、広告分野にも大きな影響を与えたのである。

30s Postersーモダンライフとグラフィックデザイン
出品例

30's Posters SINGLAIR 30's Posters ワーク・ウィズ・ケア

ポスター「シンクレア・モーターオイル」/1930年代/デザイナー不詳/1930年代を象徴する商業ポスター。スピードの時代と呼ばれた流線型の列車が特徴的(写真上左)
ポスター「ワーク・ウィズ・ケア」/1937年/ロバート・マッチリー/復興施策の一環として設置されたWPA(Works Progress Administration)ポスターの一種(写真上右)

30's Posters トレーニング・イン・アート 30's Posters ニューヨーク万博公式ポスター

ポスター「トレーニング・イン・アート」/1937年/ブランチ・アーンシュ/WPAによる芸術支援施策ではこうした作品制作のため、1万人近くの雇用がなされたと言われる(写真上左)
ポスター「ニューヨーク万博公式ポスター」/1939年/アセトン(写真上右)

30's Posters リグリーズ

ポスター「リグリーズ」/1937年/オーティス・シェパード/1930年代はカラー印刷技術が発達し、食品メーカーのカラフルな広告ポスターも増加した(写真上)

IdcNコレクションシリーズvol.19
30s Postersーモダンライフとグラフィックデザイン

会期:
Part1;2013年11月22日(金)〜 2014年5月18日(日)
Part2;2014年5月23日(金)〜11月3日(月)
会場:国際デザインセンター・コレクションギャラリー
主催:株式会社国際デザインセンター